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NPO法人 すみだ在宅ホスピス緩和ケア連絡会あこも
 墨田区民・行政・医療・福祉・産業・マスコミなどが協力して、地域で緩和ケアが受けられるネットワークをつくり、がんになっても望めば誰でも最期まで家で過ごすことができるすみだのまちを創ることを目指しています。
「医師と訪問看護師との意見交換会」  開催しました
がんの患者さんの在宅ケアを行なっている医師と訪問看護師との意見交換会を開催しました。

医師7名、訪問看護師9名にお集まりいただいた他、
すみだ在宅ホスピス緩和ケア連絡会のメンバー12名がオブザーバーとして参加しました。
お忙しい中、参加してくださった皆様には感謝いたします。

この会でのご意見のまとめを下記にご報告します。
これらの貴重なご意見は、今後の連絡会の活動に活かしてまいります。

■テーマ■
  1)在宅ホスピス緩和ケアで、どのような問題を抱えてやっているか。
  2)すみだの在宅ホスピス緩和ケアが、より普及・拡大するためにはどうしたらいいか

1)在宅ホスピス緩和ケアで、どのような問題を抱えてやっているか。
■各地区・各診療所の現状

 がん・非がんのケースとも、患者本人・家族がどこまで希望しているのか。在宅と病院と揺れることをどう共有していくか。医師だけでなく、看護師の情報を含めて話をしていく必要がある。患者の状態、情報の共有が重要だと思っている。

 訪問看護ステーションとの連携については、ある程度決まったステーションからの訪問の依頼のケースが多い。がん患者は病院からのケースが多い。

 墨田区のがん在宅死率は13%くらいで、これは日本の在宅死率6%の平均の倍以上である。他の区ではどうだろうか。

 台東区では他にも在宅緩和ケアで頑張っている医師がいる。

 自院では6~7割が在宅看取りだが、ほとんどががん患者。本人・家族の希望や死生観を考慮して、在宅死の選択をケースごとに柔軟に考える。千代田区でこのような在宅緩和医療をしているのは一ヶ所。

 外来診療があり、一人でやっているし、都内にいないことも有り、24時間対応はできず、物理的に困難なため在宅支援診療所としていない。

 外来が忙しく、24時間対応の在宅療養支援診療所はできない。クリニックの看護師がボランティア的に患者宅へ訪問する(様子を見に行く)ことがある。

 在宅療養支援診療所として医師だけで24時間体制を確保するのは難しい。ステーションとの連携が患者にとっては重要だ。連携することで24時間体制の確保ができる。そのために、4~5人の少人数のステーション同士の連携も必要ではないだろうか。

 在宅療養支援診療所かどうかではなく、患者に呼ばれたら訪問をすることが大切。心が大事。

 ここに集まったメンバーでネットを組めば、墨田区・台東区・千代田区で末期がん患者の看取りが十分できるのではないか。やる気がない人達で形だけのネットワークを作っても看取りは難しい。

■訪問看護ステーション間の連携
 同一法人のステーション同士の連携は行なっていない。夜間対応も含め、独立して行っている。

 24時間体制の確保について、一人の患者に複数のステーションが訪問することは可能で、以前にやったことがある。情報の共有と役割分担を決める。24時間対応は、どちらか一方のステーションがとることもあれば、交代でとることもある。2ヶ所同時に24時間体制加算はとれない。一人の患者に対してチームを組むことはあっても、ステーション同士の組織としてチームを組むのは難しい。

■医師と訪問看護師との連携
 開業医との連携は非常にやりやすい。訪問をしない病院の医師では緊急時には救急搬送しかない。緊急ではなくても、医療処置が必要な場合には同一法人の病院で行なう。

 看護師で対応が難しい場合、救急搬送になってしまう。在宅の患者さんに、(病院の医師ではなく)地域の医師を具体的に薦めているが、患者さんの方では病院とは離れたくない。とは言え、そのような患者さんが病院に緊急入院できるわけではない。病院の主治医から地域の医師に紹介してもらわないと、在宅医療は無理なのではないかと思う。

 往診をしない病院医師は、訪問看護の指示書を書けないようにしてほしいと、厚労省に要望したことがあるが、現実的には無理と却下された。

■訪問看護指示書
 訪問看護指示書に緊急連絡先を書かない医師がいて困る。また、特に麻薬投与に関して、先を見越した包括的な指示がほしいと思うが、指示書には書かれない。

 指示書に全てを書いているわけではない。

 医師と看護師との話し合いが必要で、その中で方針を共有していく。

■退院調整
 退院調整が重要だが、病院の看護師と訪問看護師との連携がとれていない。病院医師と在宅医師間以上に関係が希薄に思える。

 退院前訪問として、同一法人内の病院なので、地域連携室を通してカンファレンスに参加している。

 病院へ退院前訪問に行った方が良いかどうか、判断が難しい。ケアマネからの依頼が多く、退院サマリーが無く、病院からの情報がないままに訪問を開始することもある。

 病院の退院調整部門からはケアマネに連絡が行く。病院側は在宅では何を必要としているのかわかっていない。病院医師とケアマネ、時にはヘルパーやベッドレンタルも入るが、それだけで在宅医療をしようとする。難しい状況になってから訪問看護に連絡が入ることが多い。

 医師が全患者の退院前訪問に病院へ行くのは非現実的ではないだろうか。ソーシャルワーカーや訪問看護師で十分ではないか。

 病院からの末期がん依頼が多くなっているとケアマネから聞く。患者自身から訪問看護がいらないと言われることが多い。訪問看護だけでも関係性を作っておいてほしい。ケアマネからの依頼に対して、地域の側が病院へ出向き、情報収集することが必要だ。退院前カンファをできるだけ開催していて、病院SWと診療所SWが情報交換をするようにしている。日頃からの情報共有が必要。

 医師の退院前訪問を全ケース実施するとなると、今以上に在宅医が必要となる。(退院前カンファを実施している)尾道方式は経済面で現実的ではないのではないか。医療処置が多いケースでは医師が訪問するとしても、患者2人分くらいの訪問診療の時間を使って、医師が退院前訪問することになる。

 病院と離れたくない患者にとっては、病院医師と診療所医師が病院内で会うことのメリットもある。患者や家族は在宅医へ切り替えることに不安を感じている。

 ケアマネは、訪問看護と介護の区別がついていない。訪問看護を導入したら、ずっと利用しなければならないと思っている。訪問看護の必要性を病院医師や看護師、ソーシャルワーカーが説明していく必要がある。そのような教育、誘導が必要。

 がんに限定すると、元気な患者ほどフォローが必要。患者・家族は在宅ケアを不要と思っているが、元気な時期に在宅ケアを導入する必要がある。看護と介護の違いをわかって貰う必要がある。
病院から適切なサービスにつながっていない。ケアマネ、訪問看護、医師と様々。対応できる医師・看護師がかかわる必要があるのでは。

 訪問看護ステーションは退院時に決める。介護福祉士の資格をもつスタッフが病院と連携してコーディネートしている。退院前訪問で病院にて看護師、連携部門等と会う。元気で訪問看護が不要と言うケースでは、きっかけ・ニーズを待つ。

 病院から診療所に在宅ケアの依頼があった場合は訪問看護を導入しやすい。

 ケアマネから診療所に紹介された場合、患者の経済力やADLが高い場合は、外来通院・セルフケア可能という場合が多い。

 ケアマネから診療所への紹介ケースは、病院からの紹介ケースに比べて問題が多いようだ。訪問看護の料金が高いので、導入したがらない。がん患者の特性を理解しておらず、元気であることから病状の進行が読み取れておらず、状況把握が甘い。

■在宅医療の体制について
 在宅医療において、がん患者と非がん患者は全く違う。医療体制として、連携パスとコンサルテーションで上手く行くのではないかと取り組みがなされているが、現実はうまくいかない。
医師が在宅ケアのネットーワーク化という、皆でやるという発想はうまくいかない。がんの患者を診ることができる医師と訪問看護師などが手をつないで、チームを組んでいくことが必要。今、緩和ケアクリニック(PCC:Palliative Care Clinic)を提唱し、厚労省の勉強会でも考えている。24時間診療にもランク(①訪問看護とチームを組んで自院で24時間対応、②主・副を決めて他院の医師同士連携して24時間対応、③24時間体制をとらない)をつけるような考え方にまとまっている。

 麻薬処方をしない医師が、がんの在宅医療をやっていることもある。

 24時間連絡体制は基本、在宅療養支援診療所の要件となっている。がん患者を診る診療所は、それほど数多く必要ではない。

 かかりつけ医として大学病院へ紹介したケースが、末期となって在宅医療を依頼してきたとき、自分には最期まで診る自信がなかったので、在宅緩和ケアの実績がある他の医師に依頼した。

 小児、がん、認知症、地域保健等、一人の医師が何でもやることは不可能である。

 専門性、専門医の存在も大事だが、在宅緩和ケアでは薬や処置など医療だけではできない。その人の生活を支えることが重要なので、在宅緩和ケアのプランが大事。指示書やサービス提供書でできるものではない。医師との相談、訪問看護師に伝えられることが重要。ケアプランの中で、医師、看護師、多職種で24時間体制で、家族ケアも含め、どう支えるか。

 日頃の相談できる関係が重要、ケアマネへの診察後の結果報告等。

 東東京緩和ネットワーク幹事会で、地域コンサルテーションについて説明があったが、家族ケア等、地域が必要としているコンサルテーションはできていない。

 患者は今までのかかりつけ医に診てほしいと思っている。かかりつけ医と在宅緩和ケアができる医師が平行しての訪問診療はできないのか?

 医師の性、専門性や考え方の違いから、併診は非常に難しいことだ。主治医としてどちらが責任を取るか、責任問題もある。

 専門分野の違う医師同士の併診は有り得るが、在宅医療をする医師が別々の組織から往診するのは、特に方針が違う場合はどちらに従えばいいのか、実際は患者さんが混乱する。

2)すみだの在宅ホスピス緩和ケアが拡大するためにはどうしたらいいか
■これからの在宅ホスピス緩和ケアについてのアイディア・意見

 すみだ在宅ホスピス緩和ケア連絡会では、Web上でがんの患者に対応できる医療・介護機関を公開している。連絡会の夢はグループホームをつくり、マネジメント・看取り・デイケア等を行っていきたい。

 利用者側がこういう世界があることを知らないことが課題だ。病院ではない、在宅を選択、多様な居宅の選択肢があることが大事だと思う。

 何かのときに入院できる施設があるかどうか。海外では、PCUと往診する医療機関が一緒になっているネットワークがある。多様な対応ができれば、と思う。日中独居のケース等を支えられるものがあればと思う。

■在宅医療とPCUとの連携
 現状ではうまくできてない。連携ができる方法を1例ずつ、やっていきたい。

 ホスピスに入院したい人も在宅で診ている。最期にホスピスへの入院を希望している患者の状況を週に1回程度、ホスピスの医師に報告している。

 PCUへのレスパイト入院があった。

 一般病棟でのレスパイト入院は、非常に難しい。PCUの利用方法を考える必要がある。

 急性期医療の中でも緩和ケアネットとの連携できることがあるのではないかと言う意見もある。腎ろうの造設やくも膜下腔へのカテ挿入疼痛緩和など。

■退院調整・ケアマネの役割
 退院前カンファのケアマネの同席は一般的なのかはわからないが、地域連携の中で、がん患者の在宅ケアに理解がある、対応できるケアマネとチームを組めるようになりたい。

 連絡会ではケアマネ対象の研修会を行っている。墨田区内のがん患者への対応ができるケアマネを育てている。

 ケアマネジャーをケアプランを作るだけでなく、チームを組みたい、という話を聞いたのは初めてだった。とても励みになった。(連絡会メンバー ケアマネ)
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